曜変天目茶碗と年末鑑定団で鑑定されたものへの真贋に疑問を呈する人

 

昨年年末12月20日にテレビ東京で放送された人気番組「なんでも鑑定団」で、当番組で最大の発見と紹介された曜変天目茶碗

 

放送前からかなりの煽りぎみの番宣を何本も打たれていて鑑定団ファンの方にとってはかなりわくわくした回になったと思います。

 

しかし、この鑑定団で鑑定された「曜変天目茶碗」の真贋に疑義をとなえる方がちらほらと出てきていて、骨董界ではかなりのホットな話題となっています。

 

今回は、その鑑定団で鑑定された曜変天目茶碗の真贋に疑問を呈する方の意見についてまとめてみました。

 

山田五郎さんがまずこの鑑定団で鑑定された曜変天目茶碗に疑問を呈されていた!

 

昨年というか先月の12月20日の火曜日に、今回問題になっているテレ東の「なんでも鑑定団」が放送されて、それから2日後の12月22日の木曜日にTBSラジオの午後の帯番組「荒川強啓のデイ・キャッチ」のワンコーナー「デイキャッチャーズ・ボイス」でこの鑑定団の曜変天目茶碗がとりあげられていました。

 

私は、該当する「なんでも鑑定団」の方は見てなかったのですが、こちらのラジオの方はちょうど車を運転していて聞いていました。

 

特に、この「デイキャッチャーズ・ボイス」のコーナーは話のネタとしてはもちろん、非常に勉強になるので時間がゆるせばちょくちょくこの時間はTBSに周波数を合わせています。

 

で、この日は評論家の山田五郎さんがの出演日で五郎さんがこの鑑定団で鑑定された曜変天目茶碗の真贋について疑問を呈されていました。

 

この日のコーナータイトルが

 

「日本で4つ目の曜変天目茶碗は本物なのか?」

 

と題され、山田五郎さんが2日前に放送されて話題になっている完全なものは世界で3つしか確認されていない曜変天目茶碗に関して解説をされています。

 

その中でまず、「天目茶碗」とはなにか?というところから解説されているのですが、この天目茶碗、今から800年前の鎌倉時代に禅の本場の宗(中国)の浙江省に天目山というところがあり、そこのお寺に修行に行った日本の僧侶が持ち帰った茶碗を、この地名から「天目茶碗」と呼んでいたそうです。

 

この天目茶碗という呼び名は、骨董の世界、陶磁器の世界では日本だけが使用している呼称になるそうです。

 

それで、この天目茶碗の大きな特徴として鉄分が含まれた釉薬を使っているので焼き上がりが「黒い色」であることがあげられます。

 

また形が横から見た形がすり鉢状で、高台は小さくて低く、飲みくちの部分が「すっぽん口」と言って、少しくびれて筋が入ったような形状をしています。

 

こういった特徴をもった天目茶碗の中で、窯の中で焼いているときに、神様のいたずらか偶然の産物なのか一種独特の化学変化を起こして様々な変化が茶碗の表面に現れます。

 

そういったものの中で、星みたいな丸い模様が器の各所に出ていて、その丸い模様の周りに雲みたいな感じで青色や様々な色の模様が出ているものを「曜変天目茶碗」とよび日本人は特に貴重なものとして扱ったとのことです。

 

本来であれば、このような窯の中での変化のことを窯変(ようへん)と呼びますが、星空のような輝きを意味する「曜」をもちいて「曜変天目」としたそうです。

 

偶然の産物とされ、室町時代から多くの陶芸家がこの曜変天目の再現にトライしてきたのですが、そのメカニズムがわからず再現することが出来ませんでした。

 

で、この貴重な曜変天目は現在完全な形で残っているものが日本にある3つだけで、全部国宝になっています。

 

その3つの日本にある曜変天目が

 

一つが世田谷にある静嘉堂文庫が所蔵する「稲葉天目」。これは徳川将軍家から春日局の子孫なる稲葉家に伝わって、その後三菱財閥が入手したもの。

 

もう一つが、大阪の藤田美術館にあるものでこれも水戸の徳川家から藤田財閥が入手したもの。

 

最後の一つが京都の大徳寺龍光院にあるもので大阪は堺の豪商、津田宗及が所有していたもので九州の黒田家に伝わったとされます。



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滋賀県のミホミュージアムに加賀の前田家が持っていたものがあり重要文化財となっている茶碗があるがこれは曜変天目ではなく油滴天目ではないかと意見が別れる代物もあります。

 

なので、仮にミホミュージアムにあるものを入れたとしても日本で4つしか現在までに曜変天目茶碗は確認されていません。

 

故郷の中国でも2009年に工事現場から発掘されたものがあるが、これは割れてしまっていて完全なものは中国本土には残っていないようです。

 

それだけ貴重な曜変天目の4つ目が、それも日本の人気テレビ番組なんでも鑑定団で見つかったということで大きな騒ぎになっている次第です。

 

山田五郎さんいわく、当時のオンエアを楽しみにして視聴してみたものの、実物をテレビ画面越しではありますが、見て鑑定団で降った真贋に小首をかしげるような心持ちだったということです。

 

山田五郎氏の今回の曜変天目に関する見解

 

ラジオ番組の中では、山田五郎さんは自分は陶器に関しては素人で番組でその真贋を鑑定された著名な中島誠之助先生の鑑定に疑問をていする資格もなければ知識もないと、前提として自らお話されています。

 

さらに一素人の感想として聞いてほしいと前置きされて、素人目に見ても今回の茶碗が「曜変」には見えないとおっしゃられていました。

 

その理由として、星と呼ばれる丸いつぶみたいなのが出ていないのと、モヤが白い色に見えるからというものでした。

 

本物曜変天目であれば、青色というか紫というか虹色のような輝きを「もや」の部分には見られるのが今回の鑑定団の茶碗にはそれが見られないと・・・。

 

番組内ではもやが「青」であると公言されていたそうですが、テレビで見るかぎり青には見えなかったと・・・。

 

また今回鑑定を依頼してる徳島のラーメン屋さんが、信長以前に天下人になったと言われる三好長慶という武将の子孫の家から出たと紹介されて三好家の家紋が入った小布や系図などもそえられていたそうですが、山田五郎さんいわく三好長慶の直系は次の代で信長に攻め入られて自害しているので絶えてしまっていると・・・。

 

さらに、それほどの大名品であれば三好家に曜変天目があることは広く知られていたであろうし、攻め入った信長などが戦利品としてほしがったのではないかと・・・。

 

そういったことがなされていないことに多くの疑問を山田五郎さんは持たれていたようです。

 

このような細かな疑問もあったようですが、一番の驚きだったのが、「鑑定額」だったそうです。

 

当日の放送では鑑定額が「2千5百万円」だったそうですが、これがあまりに安すぎるのではないかと・・・。本物の曜変天目であれば最低でも一桁違うであろうと・・・。

 

大阪の藤田美術館の曜変天目が、大正時代に藤田平太郎が購入した時の値段が、現在の価格に換算して4億円から5億円だったと・・・。

 

今回の曜変天目真贋鑑定に疑義をとなえるプロ現る!

 

山田五郎さんの見解に関しては、ご自身みずから陶磁器に関しては素人とおっしゃっていて、さらにネットでは門外漢が口を挟むべきではないような意見も散見されますが、五郎さんは東京国立博物館評議員をやられていますし、愛称「教授」と呼ばれるだけに美術品などに関する知識ははんぱないと思われます。

 

なので、一般の陶芸品好きの愛好家レベルの方ではないと思いますし、実際ラジオを聞いていたときの今回の曜変天目に関する知識から、その裏にまつわる歴史に関するお話はかなりのものだったと思います。

 

その五郎さんが「あれ?」と思われたのもかなりのことだと思いますが、あれから1ヶ月経過しようとしてる時点で、この曜変天目に関するプロの方登場し、今回の鑑定団での曜変天目に関する真贋に大いなる疑問を持たれるとの報道がなされています。

 

その方というのが、陶芸家の九代目長江惣吉さんです。長江さんいわく「番組を見ていて思わず絶句しました。どう見ても中国の商店街で売っているまがい物にしか見えなかった」とのこと。

 

この方、陶芸のプロであるとともに親子二代にわたり「曜変天目」を再現するために長年研究を重ねられてきている「曜変天目のプロ」。

 

曜変天目の生まれ故郷である、中国にこれまで30回近く足を運ばれて、現地の研究者と研鑽をつみ「曜変天目」の再現に力を入れていらっしゃるプロ中のプロ。

 

その曜変天目のプロが今回の鑑定団がくだした真贋結果に大いなる疑問を持たれているとのことです。

 

これは、実際に鑑定結果を下した中島誠之助さんはもとより、「なんでも鑑定団」の番組としても何らかの対応が必要になってきているのではないでしょうか?

 



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