祖母の実家は九州有明海に近い場所で、年末年始やお盆に遊びに行ったときは、有明海の海の幸をよく食べさせてもらってました。
本家のお墓があるので、盆正月は親戚が全国各地からこの祖母の実家に集まります。
それで子供のころに、タイラギという貝をよく食べさせてもらったのですが、祖母が台所で調理をしてるときに居間で遊んでいる私達を呼んで、このタイラギの中に入っているエビを見せてくれたものです。
「今日は当たったばい!」と言ってニコニコしてタイラギから小さなエビを取り出して、私達に見せてくれた祖母でした。
子供ながら、なぜタイラギという貝の中にエビが入っているのか不思議に思っていたのですが、当時はあえてそのことを私は口にだしませんでした。
あれから数十年。その子供のころの疑問の一つである、タイラギの中に入っているエビについて今回は記事を書いてみたいと思います。
タイラギに入っているエビの名前
まず、タイラギに入っているエビですが、名前を調べてみるとすぐに分かりました。
カクレエビ
そのまんまの名前です。タイラギの「中に隠れているエビ」ということで名前がついたのではないでしょうか?
このカクレエビ、タイラギ以外のイタヤガイ、ハボウキガイなどの貝の中にも入っているそうです。
私は子供のころ、このタイラギの中に入っていた「カクレエビ」は貝が食べて中に入っているものだと思っていたのですが、調べてみるとカクレエビ自体がタイラギなどの貝の中に入って生活してるということでした。
私は1匹で入っているエビのイメージしか記憶にないのですが、このカクレエビは雌雄ついになってタイラギなどの貝の中に入って仲良く生活するそうです。
最初にオスのカクレエビが中に入るのか、メスのカクレエビが入るのか・・・私の予想ではメスのカクレエビが先に貝の中に入って、そのメスを求めてオスのカクレエビが中に入って行くような気がするのですが・・・その辺どうなんでしょうか?
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カクレエビは食べれる?
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私が子供のころに祖母がタイラギの中に入っていたエビを見せてくれた記憶はあるのですが、そのエビを「食べさせてもらった記憶」がありません。
祖母や私の母親も、このエビを食べるような話をしてるのを聞いたことがないので、このカクレエビは食べることが出来ないのかと思って調べてみたんです。
カクレエビは食べれるのか・・・
こちらもすぐに分かりました。カクレエビは食べることができます。普通のエビのように素揚げにしたり、醤油などで甘辛く煮付けたりして食べることができるそうです。
しかし、一般家庭でタイラギなどをさばいて出てくるカクレエビってたかがしれていると思います。サイズも小さいですし・・・。
よほど食べて美味しければ食べるのでしょうが、うちの祖母はそのまま捨ててたのではないかと思います。タイラギのほうが、祖父・祖母どちらも大好きだったので、貝を食べることに意識が向いていたのではないかと思います。
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有明海のタイラギ
私が子供のころによく食べさせてもらっていた有明海のタイラギですが、近年有明海でこのタイラギがとれなくなっているそうです。
祖母の地元の魚屋さんやスーパーでタイラギが並んでいても、韓国産だったり有明海以外の愛知県や岡山県産のものがならぶことが多いそうです。
これほどまでにタイラギが有明海でとれなくなったのは、諫早湾の干拓堤防の開閉門を締め切ったことが原因だろうと祖父や祖母は言ってます。
本明川という長崎県で唯一の一級河川から有明海に豊富な土壌に含まれた栄養分が有明海に流れこんでいたのを全部開閉門を閉めて遮断してしまったのですから、それを餌として成り立っていた生態系が完全に崩れてしまったのではないでしょうか?
子供の頃によく有明海でハゼ釣りをしてましたが、有明海のハゼは大きいものになると30cmをこえます。東京湾の江戸前のハゼの数倍の大きさです。
その大きなハゼが近年釣れなくなっているとも聞きました。タイラギだけでなく、有明海の豊富な海の幸が昔のように堪能できない時代になってしまったようです。
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