スピーチロックの具体例と言い換えについて考える

 

スピーチロックと聞いてピンとくる方は、現在の日本にはまだまだ少ないと思います。私も最近まで知りませんでした。

 

スピーチロックについて教えてくれたのは、介護の現場で7年間仕事をしてきた姪っ子です。この姪っ子、前回車椅子でのスロープの降り方について書いた記事に登場した現在女子大生の姪っ子の姉になります。

 

姉妹揃って同じ介護の道に進もうということのようです。それで、先月だったか現職の姪っ子が休みの日にうちに来てテレビを見てたときにスピーチロックについて話してくれました。

 

今回はこのスピーチロックについての話題になります。

 

スピーチロックは介護の現場で高齢者を「言葉で拘束」すること

 

上の姪っ子が仕事が休みの日にうちの自宅に遊びに来てて、リビングでテレビを見てた時の事。

 

あるテレビ番組で認知症のおばあちゃんが自宅で使う食器を棚に直してる時に、その家のお嫁さんが「おばあちゃん、いつも言ってるでしょ!そこに置いちゃダメだって!」とかなり強くおばあちゃんに声をかけていました。

 

それを見て姪っ子が「完全にスピーチロックだね」とひとこと。我が家の家族はだれもスピーチロックのことを知らなかったので、姪が察知してスピーチロックについて説明してくれました。

 

スピーチロックとは介護の現場で高齢者の方を文字通り「言葉によって拘束」すること。

 

 

スピーチロックの具体例

 

テレビで認知症のおばあちゃんは、食事の後に洗った食器を元あった所に戻そうとしていたのですが、お茶碗や箸を全く別のところに置こうとしてたのです。

 

お茶碗は定位置の食器棚ではなく、別の部屋にある棚にしまおうとしてました。箸にいたっては輪ゴムでひとまとめにして箸立てではなく皿が重ねておいてある上に置こうとしてたのです。

 

それを見てお嫁さんが「おばあちゃん、いつも言ってるでしょ!そこに置いちゃダメだって!」・・・これがスピーチロックの具体例の一つになります。

 

この他に姪っ子が話してくれた具体例が

 

<スピーチロックの具体例>

・~やっちゃだめ!

・そこから動かないで!

・何度も言ってるでしょ!~して!

・ちょっと待ってて!

 

こういった、介護の現場であれば誰しもが使ってしまいがちな言葉によって認知症などの高齢者の方の行動を制限(ロック)してしまうことにつながるんですね。

 

こういったスピーチロックは認知症の高齢者の方にはよくないそうで、症状を悪化させてしまう原因の一つにもなるようで、また認知症の方、ご本人も精神的に不安定になるので極力さけて介護職員の方は毎日お仕事されているそうです。



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スピーチロックにならないためにどのような言い換えがあるのか?

 

では実際に現役の介護職員である姪っ子は職場でどのように対応してるのでしょうか?少しだけですが、姪っ子が具体例を話してくれたのでご紹介させていただきます。

 

一番多い具体例として「ちょっと待って!」というスピーチロックだそうです。

 

素人の私などからすると、この「ちょっと待って!」がスピーチロックになるとは思えなかったのですが姪っ子の話では、少ないスタッフで毎日仕事をしてるので一度に複数のオファーが入所者のおじいちゃん、おばあちゃんから出るそうです。

 

別の仕事をしてる最中に「ねぇ、ちょっと!」とユニフォームを引っ張るおばあちゃんがいると、別の仕事で手一杯なので・・・

 

「ちょっと待って!」

 

・・・とつい言葉が出てしまうそうですが、この言葉をはくと、その「ねぇ、ちょっと!」と意志を表示したおばあちゃんの気持ちはどうでしょう?スッタフさんの状況を飲み込めれば良いですが、認知症の方ではそれが難しいです。

 

そういった対応をとられると、認知症の方は最悪スタッフに無視されたと思われることも少なくないそうで、これが認知症の方にはベリー・バッドだと姪っ子は言ってました。

 

では、そういった忙しいときに入所者の方から声をかけられたらどのように対応するのがよいのでしょうか?姪っ子の場合だと、

 

「今、○○のおばあちゃんのお世話してるから、あと5分したら○○さんの(声をかけたおばあちゃん)所へ行きますね~。」

 

・・・と笑顔で言葉をかけるそうです。不安にさせない、相手の気分を害しないように声をかけるのが大切だと現役の介護職員が申しておりました。

 

家庭での介護についても同じ事が言える!

 

認知症の方を自宅で介護されている方についてもスピーチロックについてはあてはまります。

 

家庭で主婦の方が一人で介護されているような状況だと、家事やその他のことで忙しく介護してるおじいちゃんや、おばあちゃんに対してついつい「きつい言葉」をかけてしまいがちになります。

 

そういったときに、例えば姪っ子の職場の介護施設での話になるのですが、一人でトイレに行ったり自分の足で移動できるおばあちゃんが、台拭きと食器を拭く付近の区別がつかずことあるごとに、食堂においてある台拭きを自分で取りに行って、自分の湯呑みや他のかたの湯呑みを台拭きで拭いてしまう行動があったそうです。

 

最初の頃、若い職員さんがそのおばあちゃんにやはり「これは台拭きだからコップや湯呑みを拭いちゃダメでしょ!」と少し怒ったようにして注意してたそうです。

 

何度も同じことを繰り返すので、そのスタッフの方もイライラしてついスピーチロックになる言い方になってしまっていたとのこと。

 

それで、スタッフで考えて実行したのが食堂においてる「台拭き」を入所者の方の目に入らない場所に保管するようにしたそうです。そして、おばあちゃんには専用の食器をふきあげるための布巾をお渡しして使ってもらうようにしたら、問題解決したとのことでした。

 

このようにスピーチロックに関しては別の言い方、言葉に言い換えることも大事ですが、スタッフさんや自宅で介護される方が「スピーチロック」になるような状況を事前に防ぐことでも、予防できると現役介護職員の姪が話してました。

 

これは、実際に介護の現場に従事した人でないとなかなか気づかない、スピーチロックへの違ったアプローチの仕方になるのではないかと私は思いました。

 



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