春先になると年間を通じて一番異動や進学にともなう引っ越しの件数が多い時期になります。
ところが引っ越しを専門の業者さんに依頼せずに、引越し費用を安く抑えようと自分や家族、知人の力を借りて引っ越しに挑まれる方も結構多いのではないでしょうか?
そこで今回は引っ越しを自らの力でやるときに注意したいポイントの一つである冷蔵庫の運搬方法についてお伝えしていきたいと思います。
引っ越しの際に、冷蔵庫を軽トラなどで運ぶときに「横置き」にして運ぶのってOKなのか?今回はこの件について詳しく調査してみました。
冷蔵庫は原則、横置きで運搬するのはNG!
冷蔵庫は一人用タイプのものや、1ドアタイプの小さいタイプのものだとそれほど運搬する際にてこずることはないと思いますが、ファミリータイプの500Lを超えるような容量の冷蔵庫は高さ、背が高いので運搬に苦慮するケースが出てきます。
特に、専門の引越し業者に依頼せず個人で引っ越し作業をするばあい、引っ越し用に用意した車が軽自動車だったりすると、大きなサイズの冷蔵庫を荷台に立てた状態で固定して運搬するのは素人にはかなり難易度が高いことがあるように思います。
なので、個人で運搬される方の中には冷蔵庫を「横置き」にして荷台にのせて運ばれる方が結構いらっしゃるようです。
しかし、この冷蔵庫の横置き運搬は原則厳禁になっています。主要各メーカーの取扱説明書には注意事項として以下のようなことが書かれています。
<三菱電機>
転居などでの運搬時、横積みしない。(故障の原因)
<東芝>
横積みしないで下さい。(圧縮機の故障の原因)
<シャープ>
転居などで運搬するときは、横積みしない。故障の原因になります。
各メーカーとにかく、運搬するときは横置きしないように注書きをしています。その理由が故障の原因になるからとしていて、東芝だけが圧縮機の故障をまねくとの記載がありました。
冷蔵庫を横置きするとなぜ圧縮機の故障につながるのか?
冷蔵庫を運搬するときになぜ「横置き」してはいけないのかですが、これを詳しく調べてみると機械オンチの私にはかなり理解が難しいものでありました。(笑)
まず冷蔵庫が庫内を冷やすしくみについてですが、気体の冷媒ガスをコンプレッサーと呼ばれる圧縮機で圧縮して液体にするそうです。
この圧縮して液体になったものが庫内背面にはりめぐらされた配管内を通って冷蔵庫の中を冷やすようになっています。
なので、冷蔵庫にとってコンプレッサーは非常に重要なパーツであり、人間にたとえると心臓に近いものではないかと思います。
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それでこのコンプレッサーの中には潤滑油、オイルが入っていて、機械で高速で動くものにとってはこの潤滑油はかかせないものですが冷蔵庫のコンプレッサーもご多分にもれません。
で、引っ越しなどでこの冷蔵庫を「横置き」して運搬するとコンプレッサーの中のオイルが通常あるべきところから横にしたことで別の場所に「流れ込んで」しまうわけです。
そして、転居先で冷蔵庫を運び入れていざ電源を入れると横置きしたことで冷却器に入り込んだ「オイル」を、冷却触媒と一緒に圧縮しようとコンプレッサーは動きだすそうです。
これが、致命的な故障の原因になるそうです。
本来であれば「気体」である冷媒を圧縮するコンプレッサーなのですが、横置きしたことによって「液体」の潤滑油を一生懸命に圧縮しようと稼働するわけです。
しかし、コンプレッサーは液体を圧縮することができないそうなんです。なので余計な負荷がかかったり液体のオイルが入り込んだことそのものがコンプレッサーを傷めることにつながる可能性もあるそうです。
なので、引っ越しなどで冷蔵庫を運搬するときは、冷蔵庫のコンプレッサーの故障につながるので「横置き」して運搬しないように十分ご注意ください。
一時的に冷蔵庫を傾けたり横にした場合は大丈夫?
引っ越しで運搬するときは、冷蔵庫を横置きにして運ぶのはNGだということがわかりましたが、それでも場所によっては家の中から運びだすときに冷蔵庫を横にしないと運びだせないケースというのもあるかと思います。
専門の引っ越しのプロの業者さんは、冷蔵庫を立てたまま運びだすための「道具」を使ったり、アパートなどで階段の昇り降りの際にどうしても冷蔵庫を横向きにしないといけないケースなどでは、窓から専用のワゴンがついた昇降機で運び出して横向き、傾けを最小限におさえる工夫をされていますよね。
しかし、個人で引っ越しをする場合はどうしても冷蔵庫を横向きにしたり傾けて運びださないといけないケースが出てくるかと思います。
もしどうしても冷蔵庫を一時的に横にしたり傾けた場合は、運搬先に搬入後すぐに電源をいれずにある程度時間をおいてから電源をいれるようにすると、コンプレッサーをいためることなく再稼働できるようです。
この電源を入れるまでの時間ですが、これがかなり諸説あるようで(笑)、2~3時間という説もあれば万全を期して1日電源を入れずにそのまま放置するのが良いという方もいらっしゃいます。
ものが大型家電でしかも値が張る冷蔵庫なので、万全を期して一日置いてから電源をいれるのがベストではないかと私は思います。
一日程度であれば、夏場であっても現代の世の中冷蔵庫がなくてもコンビニや24時間スーパーなどが全国各地にあるのでなんとかなるかと思います。
心配な方は、大型のクーラーボックスなどを用意されて必要なものを冷やしておくとよいかもしれません。
クーラーボックスで冷やす場合は、キューブ上の氷だけでなく板状の氷を併用すると長持ちします。また釣り人の方がよく釣った魚を新鮮に保って持ち帰る裏技として「塩氷」という方法を使われることがあります。
これは、クーラーボックスの中に海水をいれてその中に氷をいれ釣った魚を保存する方法です。氷だけだと0度が限界ですが、塩水の中に氷を入れると水温が0度以下のマイナスになるので夏場などクーラーボックスを使って食品を冷やしたい場合などこの方法を試されてみるのも良いかもしれません。
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