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■2018年10月4日 記事追加
先月の9月26日に富士山の初冠雪が観測されたとのことで、過去の気象データを調べていて気になることがあったので、この記事の最後に初冠雪に関して追加で記事を書きました。
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毎年この10月の時期になると富士山をはじめ全国各地の有名な山々の「初冠雪」の報がニュース等で伝えられます。
初雪から遅れること2~3ヶ月。地元の有名な山の初冠雪の一報が夕方のニュースで伝えられたのを見ていて、この初冠雪ってどうやって観測しているのだろうという疑問がわいてきました。
気象庁の職員の方が目視で観測されるのか?それともハイテクな現代ではアメダスのような機械で観測しているのか?その辺がきになったので今回はこの初冠雪の観測方法について調査してみました。
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初冠雪を観測する山一覧:どこの気象台が観測してる山が多いの?
目次
全国各山々の初冠雪の観測方法は人間による目視
初冠雪について調べてみると、富士山など気象観測の対象となっている山では、やはり気象庁の職員の方が毎年「目視」により、山の頂に「雪が積もって白くなっている」ことを確認してから、「初冠雪」の情報を公表するようになっているようです。
初雪と初冠雪は意味合いが違い、初雪の場合はチラチラとでも雪が降ればそれで初雪になりますが、初冠雪の場合は積雪、雪が山の頂に「積もる」必要があります。
なおかつ、山の麓からひと目で見て「白く積雪」してることが確認されることがもっとも重要であり、その確認がなされてはじめて初冠雪の情報が公になるということのようです。
しかし、ここまで調べていて私はあることを思い出しました。毎日のようにニュースの天気予報のコーナーで耳にする「アメダス」・・・このアメダスには「積雪」を観測するための計測器があるという話を以前聞いたことがあり、積雪計があるのであれば人間の目視で初冠雪を観測するだろうか?
そんな疑問がわいてきたのです。
初冠雪の観測はやはりアメダスではなく人間の目視で行われる
アメダスのことについて調べてみたところ、まず単刀直入にいうと初冠雪の観測方法はやはり、最初にお伝えしたようにアメダスではなく人間の目視で行われているとのことでした。
やはり初冠雪の定義として、山のいただきに雪が積もったのが人の目をかいして白く見えることが大事なようです。
また、一般の方が地元の山を見て初冠雪と言っても、その山を観測している気象台から職員の人が目視して冠雪が確認できないと初冠雪にはならないようです。
ですから、全国の気象台から目視で観測できる山の数も、日本にある全ての山をカバーできるわけはないと思いますので、気象台から観測できる山というのが一つのキーポイントになるようです。
私が知らなかったアメダスに関すること
今回初冠雪について調べていて、アメダスに関する情報を調査していたら、思わずへ~って思うようなことがいくつかあったのでシェアさせていただきます。
まずアメダスの数ってご存知ですか?アメダスの数というと少し語弊がある感じがしますが、気象庁が全国に設置してる気象観測所の数なんですが、これがなんと「1,311」もあるんです。
しかし、1300という数を最初目にしたときは数が物凄く多く感じたのですが、日本の国土の広さを考えるとそれほど多い数ではない・・・いやもっと多くてもよさそうな気がしてきました。w
それと、アメダス観測所にはAからHまで合計8種類のタイプの観測所があることをご存知でしょうか?
その中で積雪の観測ができる積雪計が設置してあるのがB、E、Fのタイプの観測所になります。
詳しい観測所の場所についてはこちらの気象庁が公開しているPDFファイルに詳しく掲載されています。
<追加記事>
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9月に富士山で初冠雪が観測された年は寒くなる!?
今年の富士山は冒頭で書いたように初冠雪が9月の26日でした。
この初冠雪が9月中ということだったので、例年よりも少し早いのかな?と思って過去の富士山の初冠雪日を調べてみました。
■過去の富士山の初冠雪日
甲府地方気象台
https://www.jma-net.go.jp/kofu/menu/siryo_hatsukansetsu.html
上記の甲府地方気象台の記録を見てみると、初冠雪の平年値が9月30日となっていますが、実際に一覧表を見てみると、10月に入ってから富士山は初冠雪というケースが多いように私には見えます。
9月台というのは、近年では下記の3年が9月中の初冠雪になっています。
2010年・・・9月25日
2011年・・・9月24日
2012年・・・9月12日
それで、上記の富士山に9月中に初冠雪を観測した3年間の冬場の気候がどうだったかもついでに調べてみました。
そうすると意外や意外、この連続した3年間は冬場は厳冬となって気温が低かったり、降雪量が多く雪が沢山降ったことが分かりました。
これも気象庁が各年ごとに、その年の冬の気候がどうだったかまとめたものを公表してるのでそれで確認できます。
■2010年(平成22年)冬の天候
https://www.jma.go.jp/jma/press/1003/01e/tenko091202.html
■2011年(平成23年)冬の天候
https://www.jma.go.jp/jma/press/1103/01c/tenko111202.html
■2012年(平成24年)の冬の天候
https://www.jma.go.jp/jma/press/1203/01c/tenko121202.html
それで上記3年の冬場の天候の詳細が
2010年が
「東日本日本海側を中心に大雪」
「北日本では日照時間がかなり少なかった」
2011年が
「12月終わりから1月末にかけては日本海側で大雪が降りほぼ全国で低温」
「沖縄・奄美では15年ぶりに寒冬となった」
2012年は
「北日本から西日本にかけて、12月、1月、2月と3か月連続低温で、冬の平均気温が低かった」
「日本海側では「平成18年豪雪」に次ぐ積雪」
「沖縄・奄美での冬の日照時間は1946年以降最も少なかった」
このように9月中に富士山で初冠雪を観測した年、上記の2000年にはいってからの3年間はいずれも冬場が寒くなっています。
ということは、今年2018年も9月中に富士山で初冠雪が観測されたので、今年の冬は全国的に寒くなるのではないでしょうか?
しかし、今年は夏が記録的な暑さだったので上記の例とは逆になってもなんら不思議はありません。
はたして、今年の冬はどうなるでしょうか?
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